会議や打ち合わせをしたものの、後から内容が曖昧になってしまう。
誰が何を担当するのか決まっていない。
決定事項と検討事項が混ざっている。
メモはあるが、他の人が読んでもわからない。
議事録を作るのに時間がかかる。
作成した議事録が、結局読まれていない。
このような悩みを持つ中小企業は少なくありません。
会議では多くの意見が出ます。
しかし、話し合っただけで終わると、仕事は進みません。
重要なのは、会議内容を整理し、
何が決まったのか。
何がまだ決まっていないのか。
誰が何をするのか。
いつまでに行うのか。
次回までに何を確認するのか。
を明確にすることです。
ChatGPTなどの生成AIを使うと、会議メモや文字起こしから、議事録の下書きを短時間で作れます。
ただし、AIに要約させるだけでは、実務で使える議事録にはなりません。
大切なのは、会議の記録を「次の行動がわかる形」に整えることです。
この記事では、議事録・会議メモをAIで整える方法を、中小企業の実務に合わせて解説します。
議事録の目的は、会話を保存することではない
議事録というと、会議で話した内容をできるだけ詳しく残すものだと思われがちです。
もちろん、記録は必要です。
しかし、会話を最初から最後まで細かく書き残すだけでは、実務では使いにくくなります。
議事録で本当に必要なのは、会議後に仕事を進めるための情報です。
たとえば、
今回の会議の目的。
決まったこと。
保留になったこと。
担当者。
期限。
次回までの確認事項。
これらが明確であれば、参加者は次に何をすればよいか判断できます。
反対に、長い文章で会話が並んでいても、決定事項や担当者がわからなければ、仕事は進みません。
議事録は、会議の記録であると同時に、行動を整理するための資料です。
AIで議事録を整えるメリット
AIを使うと、議事録作成の負担を減らせます。
まず、会議メモや文字起こしを短く整理できます。
会議中のメモは、話の順番で書かれていることが多いです。
話題が途中で変わる。
同じ内容が何度も出る。
結論が最後まで決まらない。
雑談と重要事項が混ざる。
AIに内容を渡すと、テーマごとに整理できます。
次に、決定事項や担当者を抜き出せます。
「決まったことだけをまとめてください」
「担当者と期限を一覧にしてください」
「保留事項を分けてください」
と指示することで、実務に必要な情報を抽出できます。
さらに、読みやすい文章に整えられます。
会議メモは、略語や話し言葉が多くなりがちです。
AIを使えば、社内共有用の落ち着いた文章へ整えられます。
ただし、AIが内容を誤って解釈する場合もあるため、最後は必ず参加者や担当者が確認する必要があります。
議事録が使われない理由
議事録を作っているのに、仕事に活かされない会社もあります。
一つ目の理由は、長すぎることです。
会議で話した内容をすべて残そうとすると、読む側の負担が大きくなります。
重要な情報が埋もれてしまい、結局誰も読まなくなります。
二つ目は、決定事項がわかりにくいことです。
「〇〇について意見交換を行った」
「引き続き検討することとなった」
このような文章だけでは、具体的に何をすればよいかわかりません。
三つ目は、担当者と期限が書かれていないことです。
「資料を準備する」
「内容を確認する」
「改めて連絡する」
だけでは、誰がいつまでに行うのかが不明です。
四つ目は、会議後に共有されるまで時間がかかることです。
議事録が数日後に届くと、参加者の記憶も薄れています。
AIを使うと、会議後すぐに下書きを作りやすくなります。
早く共有することで、会議内容を次の行動につなげやすくなります。
AIを使う前に会議の目的を決める
AIで議事録を整える前に、まず会議そのものの目的を明確にする必要があります。
何を決める会議なのか。
何を確認する会議なのか。
誰から情報を集める会議なのか。
次回までの行動を決める会議なのか。
目的が曖昧な会議は、議事録も曖昧になります。
たとえば、
「新しいサービスについて話し合う」
では広すぎます。
それよりも、
「新サービスの対象顧客、料金、開始時期を決める」
としたほうが、会議の終わりに何を確認すべきかが明確になります。
AIは、会議内容を整理することはできます。
しかし、会議の目的そのものは人が決める必要があります。
AIに渡す情報の種類
議事録をAIで整える方法はいくつかあります。
最も簡単なのは、会議中に取ったメモを使う方法です。
箇条書きでも問題ありません。
次に、音声の文字起こしを使う方法があります。
オンライン会議や録音した音声を文字起こしし、その文章をAIに整理させます。
また、参加者ごとのメモをまとめることもできます。
たとえば、
営業担当のメモ。
制作担当のメモ。
経営者のメモ。
それぞれの内容を一つにまとめ、重複を整理できます。
ただし、会議内容に個人情報、取引先情報、契約内容、未公開情報が含まれる場合は注意が必要です。
必要に応じて、会社名や氏名を仮名に置き換えてから入力します。
AIへの指示文の例
簡単な会議メモから議事録を作る場合は、次のように指示できます。
以下の会議メモを、社内共有用の議事録に整理してください。
次の項目に分けてください。
・会議の目的
・主な議題
・決定事項
・保留事項
・担当者
・期限
・次回までの確認事項内容を勝手に追加せず、不明な点は「要確認」としてください。
文章は簡潔で、社内の誰が読んでもわかる表現にしてください。
文字起こしを使う場合は、次のようにします。
以下は会議の文字起こしです。
雑談や重複表現を除き、実務に必要な内容だけを議事録として整理してください。特に、次の内容を明確にしてください。
・何が決まったか
・誰が担当するか
・期限はいつか
・まだ決まっていないこと
・次回会議で確認すること担当者や期限が不明な場合は、推測せず「未定」と記載してください。
「推測しない」という指示は重要です。
AIは文章の流れから、担当者や結論を補ってしまうことがあります。
議事録では、実際に決まっていないことを決定事項として書いてはいけません。
議事録に入れたい基本構成
中小企業の社内会議なら、次の構成が使いやすいです。
会議名
何の会議なのかがわかる名称を付けます。
例:
「8月営業進捗会議」
「新サービス準備会議」
「ホームページ改善打ち合わせ」
開催日時
日付と時間を記載します。
参加者
参加者名や役割を記載します。
外部の人がいる場合は、会社名も確認します。
会議の目的
今回の会議で何を決めるのかを短く書きます。
議題
話し合ったテーマを分けます。
決定事項
何が決まったかを簡潔に書きます。
保留事項
まだ決まっていないことを分けます。
担当者と期限
誰が、何を、いつまでに行うのかを記載します。
次回確認事項
次回の会議で確認することを書きます。
次回開催予定
決まっている場合は記載します。
この構成なら、会議内容と今後の行動を同時に確認できます。
決定事項・担当者・期限を表にする
議事録の中で最も重要なのは、次の行動です。
そのため、担当者と期限は文章の中に埋め込まず、表にすると見やすくなります。
| 対応内容 | 担当者 | 期限 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 新サービス案の修正 | 鈴木 | 8月10日 | 未着手 |
| 料金案の確認 | 営業担当 | 8月12日 | 確認中 |
| 告知画像の作成 | 制作担当 | 8月15日 | 未着手 |
AIに、
決定事項の中から、担当者と期限があるものを表にしてください。
と指示すれば、下書きを作れます。
ただし、担当者や期限が会議中に明確になっていなければ、空欄や「未定」として残します。
AIに補わせないことが大切です。
会議メモと議事録は分けて考える
会議中のメモと、会議後に共有する議事録は役割が違います。
会議メモは、発言や気づきを自由に残すものです。
議事録は、その中から必要な情報を整理して共有するものです。
会議中からきれいな議事録を作ろうとすると、話し合いに集中できなくなることがあります。
まずは簡単なメモを取り、会議後にAIで整理する方法が現実的です。
メモには、次の記号を決めておくと便利です。
「決」=決定事項
「担」=担当者
「期」=期限
「保」=保留事項
「確」=確認が必要なこと
たとえば、
「決:ブログを月8本更新する」
「担:鈴木」
「期:毎月末まで」
「保:SNS広告との連動方法」
という形です。
AIに渡す前から情報が整理されているため、議事録の精度が上がります。
会議前の資料づくりにもAIを使える
AIは、会議後の議事録だけでなく、会議前の準備にも使えます。
たとえば、会議の目的を入力して、
「確認すべき項目を挙げてください」
「議題の順番を整理してください」
「決める必要があることを一覧にしてください」
と依頼できます。
例として、新サービス会議なら、
対象顧客。
提供内容。
料金。
納期。
担当者。
販売方法。
告知方法。
開始時期。
といった議題を整理できます。
会議前に議題が決まっていれば、話が脱線しにくくなります。
また、議事録のひな形を先に用意しておくことで、会議中に必要な情報を拾いやすくなります。
会議後のメールや社内連絡にも展開できる
議事録を作成した後、その内容を別の文章へ変換できます。
参加者への確認メール。
欠席者への共有文。
経営者向けの短い要約。
社内チャットへの投稿。
取引先への確認事項。
次回会議の案内。
AIに、
この議事録を、欠席した社員向けに200文字程度で要約してください。
この決定事項を、担当者へ依頼する社内メールにしてください。
と指示すれば、用途に合わせて変換できます。
一つの議事録を、複数の共有方法へ展開できるため、会議後の連絡作業も軽くできます。
AIで議事録を作るときの注意点
議事録には、会社の重要な情報が含まれることがあります。
取引先名。
顧客情報。
契約金額。
売上。
社員情報。
人事に関する話。
未公開の事業計画。
トラブルやクレーム。
これらをAIに入力するときは、会社の利用ルールを確認する必要があります。
必要に応じて、
「取引先A」
「顧客B」
「担当者C」
「一定額以上の契約」
のように置き換えます。
AIに入力してよい情報や社内の利用ルールについては、「中小企業がAIを使うときに注意したい情報漏洩と社内ルール」でも詳しく解説しています。
また、録音する場合は、参加者に録音目的を説明し、了解を得ることが大切です。
AIが作った議事録は、必ず人が確認します。
決定事項が正しいか。
発言の意味が変わっていないか。
担当者が間違っていないか。
期限が正しいか。
書いてはいけない情報が含まれていないか。
会議に参加していないAIだけで、内容の正しさを判断することはできません。
ChatGPTを社内で使う業務や確認方法を決める考え方については、「ChatGPTを入れたのに社内で使われない会社に足りないもの」も参考にしてください。
議事録を作って終わりにしない
議事録を共有しただけでは、仕事が進まないことがあります。
重要なのは、決定事項を管理することです。
たとえば、次回の会議では前回の議事録を確認します。
前回決めたことは実行されたか。
期限を過ぎていないか。
保留事項はどうなったか。
追加で判断が必要なことはあるか。
議事録を次回の会議資料として使うことで、会議がつながります。
また、担当者ごとの作業一覧に移すことも大切です。
議事録の中に書いただけでは、見落とされる可能性があります。
タスク管理表、カレンダー、社内チャットなど、実際に確認する場所へ移します。
AIに、
この議事録から、担当者別の作業一覧を作ってください。
と指示すれば、整理できます。
会議で決まった仕事を、誰でも確認できる手順へ残す方法については、「社内マニュアルをAIで整える方法」でも詳しく解説しています。
会議そのものを短くする効果もある
議事録の型を決めると、会議の進め方も変わります。
目的は何か。
何を決めるのか。
誰が担当するのか。
期限はいつか。
これを意識して進めるようになるため、話がまとまりやすくなります。
会議の終わりに、進行役が次の内容を読み上げる方法も効果的です。
「今日決まったことは3点です」
「担当者は〇〇さんです」
「期限は〇月〇日です」
「保留事項は次回確認します」
その確認内容をAIで議事録に整えれば、誤解も減らせます。
AIを使う目的は、議事録作成時間を短くすることだけではありません。
会議そのものを、行動につながる形へ整えることです。
まとめ:AIで会議を次の行動につなげる

議事録は、会議で話したことをすべて書き残すための資料ではありません。
会議後に、誰が何をすればよいかを確認するための資料です。
AIを使えば、
会議メモを整理する。
文字起こしを短くまとめる。
決定事項を抜き出す。
担当者と期限を表にする。
保留事項を分ける。
欠席者向けの要約を作る。
担当者別の作業一覧を作る。
といった作業を効率化できます。
ただし、AIに内容を推測させないことが重要です。
決まっていないことは「未定」。
不明なことは「要確認」。
最終確認は参加者や責任者が行う。
この流れを守ることで、AIを安全に活用できます。
オフィス・スパークル合同会社では、AI職人として、中小企業や個人事業主の業務に合わせたAI活用を支援しています。
議事録、会議メモ、社内マニュアル、問い合わせ対応、営業資料など、社内にある情報を、実際の仕事で使いやすい形に整えます。
「会議の内容が次の行動につながらない」
「議事録作成に時間がかかっている」
「決定事項や担当者が曖昧になりやすい」
「AIを使って会議後の整理を楽にしたい」
「社内で使える議事録の型を作りたい」
そんな方は、まずは現在の会議メモや議事録を一つ選び、必要な情報が整理されているかを確認するところから始めてみませんか。










コメント